2010年09月29日

第二次世界大戦終戦、ブレトンウッズ体制

これから不定期で「予備知識無しでもよく分かる経済解説」シリーズをお送りします。
シリーズ第一回は、第二次世界大戦終戦、ブレトンウッズ体制です。


1945年、世界を二つに分けて戦われた第二次世界大戦は、アメリカ、イギリスなどの「連合国」側が勝利し、日本、ドイツ、イタリアの「三国同盟」側が敗北したことで終結しました。

この終戦の一年前の1944年、戦争が終わりに近づいていた時、連合国側44カ国の代表者が、アメリカの「ブレトンウッズ」という町に集まりました。



戦争によって大混乱に陥った世界経済を立て直し、各国が安定して貿易をおこなえるような通貨体制を整備するためです。

そして、世界の通貨を「固定相場制」にすることが決められました。

この第二次世界大戦後の「固定相場制」による通貨体制のことを、会議の開かれた町の名前にちなんで、「ブレトンウッズ体制」といいます。


【解説】
 「ブレトンウッズ体制」とは
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第二次世界大戦後の「固定相場制」による世界の通貨体制のことを「ブレトンウッズ体制」という。
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固定相場制とは


ここで「固定相場制」とは何かを説明しましょう。

「固定相場制」とは、為替相場が固定されていて、通貨の交換比率が変動しない制度のことです。

たとえば、日本円の場合は、1ドル=360円で固定されました。

これは、「360円を払えば、1ドルを受け取ることができる」ということです。

逆に、「1ドルを払えば、360円を受け取ることができる」ということです。


【解説】
 「固定相場制とは」
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為替相場が固定されていて、ドル対円などの通貨の交換比率が変動しない制度のことを「固定相場制」という。
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固定相場制にした理由

第二次世界大戦後の通貨体制を固定相場制としたのには、理由があります。

そもそも、世界第二次大戦が起きたのは、政治的対立のほかに経済的対立も大きな理由でした。世界の景気が不況となる中で、各国が自分の国に都合に良いように自分勝手な行動をとっていたのです。

たとえば、自分の国の物を輸出してお金を儲ける一方で、自分の国への輸入には制限をかける国がありました。

こうした自分の国の事しか考えない行動が原因で争いが起きました。

また、自分の国の通貨と他の国の通貨の交換比率を、自分の国に都合のよいように決めようとして争いが起きたりしました。

そのため、第二次世界大戦後に、通貨の交換比率によって国同士の争いが再び起こることがないよう、通貨の交換比率についてのルールを定めて、世界中の国がそのルールを守るという取り決めを作る必要があったのです。

そして、通貨の交換比率が不安定な「変動相場制」ではなく、「固定相場制」を採用することにしたのです。

「固定相場制」であれば、自分の国の通貨がアメリカドルといくらで交換できるかが固定されています。

すると、外国に物を売っている会社は、自分がいくら受け取ることができるのかが安定しているため、安心して商売することができます。


【解説】
 「固定相場制にした理由」----------------------------------------------------------------
第二次世界大戦が起きる原因の一つとなった、不安定な為替交換比率による争いの発生が再び起きることを避け、各国が安心して貿易をできるように、固定相場制にした。
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ここで、「固定相場制」と「変動相場制」の違いをまとめておきましょう。


【解説】

 「固定相場制」と「変動相場制」の違いについて
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「固定相場制」
・通貨の交換比率が固定されている
・貿易などの取引が安定する
・ある日突然、通貨交換比率が大きく変わる場合がある

「変動相場制」
・通貨の交換比率が固定されておらず、日々変動する
・貿易などの取引が安定しない
・通貨交換比率は毎日少しずつ変動し、急に大幅に変わるケースは少ない
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この「固定相場制」では、アメリカ・ドルを基準にして、各国の通貨の交換比率が決められました。

たとえば、先ほど説明した通り、日本円は、1ドル=360円に交換比率が固定されました。
ドイツ・マルクの交換比率は1ドル=1マルクで固定されました。

このように、世界の通貨は、1ドル当たりの交換比率が定められました。

各国通貨の価値を表す基準となったアメリカドルのような通貨の事を「基軸通貨」といいます。

ではなぜ、アメリカの通貨がこのように世界の通貨の中心である「基軸通貨」になったのでしょうか。

それは、第二次世界大戦が終わった当時、アメリカは政治的にも経済的にも圧倒的な力を持っていたからです。

そして、アメリカドルは現在でも世界の基軸通貨となっています。

このようにして、第二次世界大戦後の通貨体制は、「アメリカドルを基軸通貨とする、固定相場制」と定められたのです。


【解説】
 「基軸通貨」について
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世界の通貨の基準になっている通貨の事を「基軸通貨」という。
第二次世界大戦後、「基軸通貨」はアメリカドルである。
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金本位制

アメリカは世界で最も経済的な力を持っていたために、アメリカドルが「基軸通貨」となりました。

しかし、「圧倒的な経済力を持っている!」というだけでは、アメリカドルが「固定相場制」の「基軸通貨」になることはできません。

なぜなら、「経済力がある」ということだけでは、各国がアメリカドルを信用することはできないからです。

例えば、日本人が360円を1ドルに換えようとする時に、「本当に1ドルは360円の価値があるのか?いつかドルが紙くずになったりしないのか?紙くずにならないにしても、ドルの価値がすごく低くなる可能性はある。」と不安に感じたら、自分が持っている円をドルに換えようとは思わないでしょう。

そこで、世界中の人々が「アメリカドルには価値があるんだ」と信頼することができるようにする必要がありました。

そこで、登場するのが金(きん=ゴールド)です。

金(ゴールド)とは、ご存じのとおりの、ピカピカ光る、とても高価な貴金属です。

世界中の人々は、「金(ゴールド)は価値があるものだ」ということで意見が一致していました。

そこで、アメリカは、「いつでもドルと金(ゴールド)を1オンスあたり35ドルで交換しますよ」と約束しました。

(この「オンス」とは、重さの単位で、1オンスは約31グラムにあたります。)

世界中の人々は、金(ゴールド)の価値を認めていますから、そのゴールドといつでも固定された比率で交換できるドルを信用することができたのです。

アメリカがこのように「ドルをいつでも金(ゴールド)と交換しますよ」と約束できたのは、アメリカは莫大な量の金(ゴールド)を持っていたからです。第二次世界大戦終戦当時、アメリカは世界の約7割の金(ゴールド)を保有していたといわれています。

だから世界中の国々は、「アメリカはたくさんの金を持っているから、ドルと金をいつでも交換するという約束を守るだろう。」と信用することができたのです。

このように、アメリカドルを「金(ゴールド)1オンス=35ドル」と金(ゴールド)を基準にして通貨の価値を定め、アメリカドルと金(ゴールド)を「金(ゴールド)1オンス=35ドル」でいつでも交換しますよ、と約束する制度のことを「金本位制」といいます。


【解説】
 「金本位制」とは
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金(ゴールド)を基準にして通貨の価値を定め、金(ゴールド)と通貨の交換を約束する制度のことを「金本位制」という。
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【まとめ】 
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第二次世界大戦後、アメリカのブレトンウッズで、世界の通貨制度を、「金本位制によるアメリカドルを基軸通貨とする固定相場制」にすることが決められた。
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posted by Tabbycat at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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