2011年01月14日

平成の伊達直人/タイガーマスク、坂本博之

タイガーマスクの正体である「伊達直人」氏からある児童養護施設へランドセルが送られた。これをきっかけに、さまざまな「伊達直人」氏から全国の児童養護施設にランドセルや文房具、お金が贈られている。プレゼントは300件を超えたらしい。この明るいニュースは広く報じられているので、日本全国知らない人はいないだろう。

伊達直人現象が起きるずっと以前から、養護施設へ寄付をするだけでなく、お菓子やプレゼントをもって全国の養護施設を訪問している、伊達直人のような人物がいる。
 
 
ボクシング元東洋太平洋ライト級チャンピオン、坂本博之氏だ。

坂本氏は伊達直人と同じく養護施設の出身である。幼少時に両親が離婚し弟と共に親戚に預けられた。そこでは暴力や食事を与えない、トイレを使わせないなどの虐待を受けた。学校の給食を残して夕食にしたりして空腹をしのいだ。その後、福岡市東区の児童養護施設、和白青松園に預けられた。

坂本少年の人生の転機となったのは、7歳のころ養護施設で見たボクシングのテレビ中継だった。ライトに照らされたリングとボクサー達がきらびやかな世界に見えたという。彼はこの時ボクサーになることを決意した。

8歳のとき母親が迎えに来て一家は福岡から東京へ移った。働きながら学校へいっていたためボクシングを始めたのは高校卒業後、ボクサーになると決意して10年後だった。
デビュー戦を初回KOで飾った後も強烈なパンチ力でノックアウトを量産し、23歳の時、無敗のまま日本チャンピオンとなり、「平成のKOキング」と呼ばれた。打たれても前へ出て最後にはノックアウトする彼のスタイルはファンを魅了した。

ボクシング生活の合間にも坂本選手は和白青松園を何度も訪れている。いつも弟の直樹氏と一緒に運べるだけのお菓子を持参した。

坂本選手は四度世界タイトルに挑んだが、世界チャンピオンのベルトを獲得することはできなかった。

四度目の世界タイトル戦で畑山選手に敗北した後、坂本選手が和白青松園を訪れる場面が、テレビのドキュメント番組で放送された。訪れる前に、坂本選手は子供たちになんと言おうか悩んでいた。

和白青松園を訪れた時、子供たちから先に坂本選手に声をかけた。

「またボクシングやるっちゃろ!」「勝つまでやるっちゃろ!」

「おう、当たり前やなかか!」坂本選手は自然と応えていた。

この日の歓迎会では、和白青松園の子供たち手作りのチャンピオンベルトが贈られた。

2007年1月の引退試合はランク外選手の試合としては異例の超満員となった。大歓声に包まれながら、坂本選手はリングを去った。

2007年11月の引退式で坂本選手は、子供たち手作りのチャンピオンベルトを巻いて登場した。坂本選手は、「熱をもって接すれば、熱を持って返ってくる。これをボクシングから学んだ」と語った。

引退後、坂本氏は和白青松園だけでなく全国の児童養護施設を周り、子供たちを勇気づける活動を続けている。これは、坂本氏が2000年にファイトマネーで設立した「こころの青空基金」の活動の一環である。私たちは彼の活動を、こころの青空基金ウェブサイトと、坂本博之氏のブログ「不動心」で知ることができる。

2007年のインタビューで坂本氏はこう語っている。

(引退した後は)「こころの青空基金」を中心として、恵まれない子供たちのサポート活動をしていくつもりです。

 この基金は、すべての子供たちは平等でなくちゃいけないという理念で僕のファイトマネーの一部から設立したものなんです。まずは2000年に僕が暮らしていた児童擁護施設の和白青松園にパソコンを送ったのがきっかけです。そのころ、一般家庭にはパソコンが普及してて、子供もパソコンに接することが普通になり始めてたんですが、まだ青松園にはパソコンがなかった。だから、青松園の子供たちも、一般家庭の子供たちと同じようにパソコンで視野や世界を広げて、自分のやりたいことや夢を探すのに役に立ててほしいと思ったんです。

 そういうことをテレビや新聞で話したら、青松園にパソコンを送ってくれた人がいたんですよ。今では10台くらいに増えました。そのほかにもたくさんの人がおもちゃとかいろいろ送ってきてくれてるんです。

 これまで集まった寄付で、青松園にテレビを送ったり、子供たちを試合に招待したりしてきたんですが、今はまだ青松園だけというが現実なんですね。募金といってもそんなに多くは集まらないので、ここまでやるのが精一杯なんです。だからこれからはもっと規模を大きくしていって、全国的に広げていきたいと思ってます。それが僕の一番の目的ですね。ボクシングを志したのも、世界チャンピオンを志したのも養護施設のおかげですから。原点に返って、ということですね。


今、坂本氏の熱は、「伊達直人」氏によって全国に広がっている。この熱が一過性のフィーバーでなく、温かい空気としてずっと続くとよいなと思う。

私も坂本氏と「伊達直人」氏の熱に接した一人として、熱を返していきたい。

お店で「ランドセル10個ください」とはいえない内気な性格なので、まずはこころの青空基金に寄付することから始めることにする。

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関連リンク:
SRSボクシングジム(坂本会長が2010年8月設立)
こころの青空基金
坂本博之氏のブログ「不動心」

坂本博之氏の著作:
坂本博之 不動心
ちくしょう魂(こん)―児童養護施設から世界をめざして

posted by Tabbycat at 07:57 | Comment(0) | TrackBack(1) | 家族と生きる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2011-01-14 17:12