2011年02月01日

新卒vs既卒 真の被害者は誰?

政府は企業に対し、卒業後3年以内の既卒は新卒とみなし選考するよう求めています。これを受けて有名企業を中心に既卒に門戸を開きはじめました。

心配なのは、採用実務に関わる若手社員です。私も昔新卒採用に関わっていたことがありますが、負担は半端じゃありません。

当時は、リクルーター制度が事実上残っていました。採用シーズンになると、出身大学別に30代中盤くらいの中堅社員が、「○○大学リクルート責任者」となります。

人事部の中堅社員から直接「今年も責任者よろしく」と社内電話で依頼されます。

正式には、部門を跨ぐ依頼は部門長から部門長へ依頼し、部門長から自分へ依頼が降りてくるのが筋です。しかし、表向きではリクルート制は「存在しない」ため、リクルート責任者の任命も非公式な形で行なわれるのです。人事部の中堅社員が各部署の中堅社員に社内電話をかけます。

各大学のリクルート責任者は、母校を同じくし各部署、支店に散らばる若手社員に「今年もリクルーターよろしく」と社内電話をかけます。

人事部は学生のエントリーシートを大学別に分類し、各大学のリクルート責任者へ送ります。

リクルート責任者は各リクルーターにエントリーシートを割り振ります。各担当者は学生に電話をかけ、アポをとり会社周辺の喫茶店で面談します。

面談後、リクルーターはスコアを付けます。どうしようもない学生はこの時点でアウト。5人程度のリクルーターが面談し、数名の学生を絞り込みます。

頭脳明晰で体育会系の部活に励み面接でも快活な学生に対しては、リクルーター側が会社をアピールする「逆面談」の様相を呈します。

就職活動解禁日に、選んだ学生を人事部面談へ送ります。よほどのことがない限り内定です。リクルーターは内定者を頻繁に飲みに誘い拘束し、就職活動を続けられなくします。バブル期には内定者を温泉宿泊旅行に連れ出した会社もあったということです。

以上がざっと私がリクルーターをやったときの様子です。

今は大学によるスクリーニングは以前ほど厳しくはやってないと聞きます。その分リクルーターに届くエントリーシートは母校だけでなく周辺校にも及び数が増えているでしょう。しかも、今後は新卒だけでなく既卒からもエントリーシートが送られてくるのです。

既卒が昨年も応募してきた人かをチェックし、去年落とした理由を確認しなければいけません。ギリギリ不合格だった学生なら再度会ってみる価値があるでしょう。しかし、チェックと面談可否判断は誰がするのか?人事部で全大学分チェックすることはできません。各大学出身のリクルーター責任者と若手リクがやるのでしょう。

エントリーシートを絞った後は面談です。2010年、2011年入社の若手社員は非常に数が少ないです。彼・彼女らが、年上の既卒者も含め莫大な数の面談をこなさなければなりません。既卒採用ゼロというわけにはいかないから、選考には微妙な舵取りが必要になります。
・・・

政府の場当たり的な政策を企業経営層が安請け合いした結果、現場の若手がこのような過酷な労働を強いられることになります。しかも彼・彼女らには通常業務が別にあるのです。

既卒者の間では「実際には既卒者は平等に選考されないのでは」という不安があるらしいですが、採用実務担当者には差別する余裕もないでしょう。

採用担当者の皆様には、お体に気をつけて頑張ってくださいとしかいいようがありません。厳しい就職活動を勝ち抜いたあなた達ならできるはすです。でも無理しないでください。

学生の皆さんはメジャー企業だけでなくいろんな会社を受け、良いと思った会社から内定がでたら「ありがとうございます。絶対辞退はしません。」とリクルーターに言ってあげてください。接吻せんばかりに感謝されることうけあいです。

大企業に新卒入社できないと人生終わり、というわけではありません。社会人人生の始まりでしかありません。リクなびに登録してない中小企業でも良い会社はいっぱいあります。まずは就職し仕事を経験することが大切です。社会人になってからも勉強しましょう。だんだんと自分の好きな仕事、向いている仕事が分かってきます。

新卒就職は人生の大きな転機ですが、それ以上の転機が何度もやってきます。仕事にまじめに取り組み、研鑽を積んだ人には必ず良い転機がおとずれます。出身大学は関係ありません。

私の所のように中途採用しかしない会社から、あなたへお誘いがいくかもしれません。

学生の方も採用担当の方も頑張ってください。


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posted by Tabbycat at 05:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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