2011年02月04日

勝間和代(@kazuyo_k)「高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人」

高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人.jpg「高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人」は、本当の意味で頭のいい人(=ストリート・・スマート)の秘密をまとめたものです。

ストリート・スマートとは「学歴が特に高いわけでも、いわゆる学校の成績がよいわけでもないのに、とても知恵があって、実務能力と実行能力に長けていて、いろいろな情報を知っている人(P12)」のことをいいます。

一方、アカデミック・スマートは、学歴が高く解のある問題をすばやく正確に解く能力は高いが、曖昧な解の存在しない問題に対し自分なりの解を出すことができない、もしくは解いたふりをする人のことを指します。
 
この分類は笑ってしまうくらい納得できます。私が出会った開成→東大、洛南→京大タイプの人には、もちろんストリート・スマートもいましたが、アカデミック・スマートにも少なからず出会いました。学歴を聞いた時点でこっちが期待値を上げてしまっている分、アカデミック・スマートと判明した時のショックは計り知れないものがあります。

「えっ!?その程度の意見しかないんですか?」とこっちが絶句してるのに、アカスマ氏は何が悪いのか分からずキョトンとするだけです。そこをすかさず真のストスマ氏がフォローに入ります。アカスマ氏のコメントからわずかに価値のある部分を砂金を拾すくうように拾い上げ、自分の意見も付け加えつつ他の人にコメントを求める。ストスマ氏は状況理解・判断能力があり、自立心旺盛だが独断的ではなく、そしてなにより人の気持ちの機微が良く分かるのです。

アカスマ君は決められたことや言われた仕事はそつなくこなしますが、不確実な環境下で自分なりの仮説に基づき計画を立て実行し、実行結果と仮説に乖離があったら仮説を修正し計画を軌道修正する、ということができません。やろうとしません。

これまでのような高度経済成長時代ならアカスマ君だけの会社も成長できました。しかし今は先進国経済が成熟し、新興国が生産と消費の中心になるなどの転換点にあり、生き延びるにはストスマ力が必要となります。

ストスマ力はコツを掴めば後天的に身につけることができます。読書し思索することで知識を増やすことがまず大前提です。そして蓄えた知識の断片を結びつけ抽象化し概念のボキャブラリーを増やします。概念というモジュールを多く持てばモジュールの組合せによって思考できます。知識の断片から思考を開始するよりステップをひとつ飛ばすので思考スピードが格段に上がります。

手段・プロセス・テンプレートにこだわるのをやめましょう。大事なのは目標到達点のみです。目標を見極め、到達への手段を考える。手段を決めたらスピードをもって実行。すばやく実行し間違いが発覚したら改良してまた実行する。間違うことは悪いことじゃありません。スピードをもって多く間違うことで知恵が生まれ、人とのネットワークが広がり、目標到達への近道となります。

アカスマ君は間違いを恐れるだから手段・プロセス・テンプレートにこだわります。「私はプロセスどおり正確に仕事しましたよ。プロセス決定者の責任じゃないですか」と言い訳します。こうして、全員が正確に仕事したのになぜか成果が出ない会社になるのです。誰もが正確にパスするのに勝てないサッカーチームには、リスクをとってシュートを打つ選手が必要です。

この本は、ストスマになることによってアカスマ君達を逆転したい人向けに書かれていますが、企業や官庁で悶々としているアカスマ君こそ読むべきです。

アカスマ君たちは「うちの企業年金は大丈夫かな」と心配しつつ、ミスで減点されることを避け大過なく定年まで過ごそうとしています。その戦略は個人レベルでは正しいです。しかし、そんな人だけの会社はいつか行き詰まります。時代の転換点では間違いを恐れず成長戦略の仮説を立て実行する人材が必要なのです。

ストスマ力を身につけるのは簡単でありません。努力せずに夢が叶う「易行(いぎょう)」の方法があるかのごとく書かれた本が溢れていますが、世の中に易行はないのです。ストスマ力を身につけるのは数年の修練を要する「難行(なんぎょう)」です。

本書自体があえて難行的な構成になっています。「4章
頭をよくする7つの方法」を読んでも、「結局何すればよいのか具体的な方法が書いてない」、「3章までのストスマの解説は充実しているが、最後の具体的方法が尻すぼみ」と感じる読者もいると思います。

そういう方は、まず「ストスマになるためのマニュアル」という言葉の自己矛盾について考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。

サービス精神旺盛な勝間氏は、難行という概念モジュールを分解し「ストスマになるためのマニュアル」の執筆に挑戦するかもしれませんが、決して買ってはいけません。

買いたいですけどね。

高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人.jpg








「高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人」

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posted by Tabbycat at 21:02 | Comment(2) | TrackBack(0) | 知識・スキルを高める | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
私も就職後から英語の独学を継続しており、親サイトでTabby cat さんの勉強方法を参考にさせてもらいました。現在のスコアはTOEIC 980ですが、まだまだあまり上手に話せない状態です。最近はビジネスに役立つ記事が多く、毎回楽しみにしています。

早速この本を読んでみました。残念ながら、私はこの本に書いてある典型的なアカデミック・スマートだと思います。正直言って使えない高学歴社員になってしまっているので、今春、通信制大学院に入学し、MBA取得を目指して、もう一度実践的な形で勉強しなおすつもりです。

これからも記事を楽しみにしているので、宜しくお願いいたします。
Posted by ZAK at 2011年02月08日 22:52
ZAK様コメントありがとうございます!

親サイトもご愛顧いただきありがとうございますTOEIC980はすごいですね!

さらに通信制大学院をめざされるとはすばらしいと思います。
MBAは実戦に近いので、ストリートスマート力を身につけることもできるとおもいます。

ZAK様の学業成就をお祈りいたします。

Posted by TabbyCat=>ZAK様 at 2011年02月14日 05:21
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