2011年04月20日

佐々木俊尚「キュレーションの時代」

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) [新書] / 佐々木 俊尚 (著); 筑摩書房 (刊)
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)


この本を読むと、現在そして未来が見えてきます。

今までは、大企業は商品を大量生産し、広告会社に大規模なプロモーションを仕掛けさせ、マスメディアに広告を出して、多数の消費者に同じ製品を買わせることでビジネスを成立させていました。いわゆるマスマーケティングです。

ところが、このようなマーケティングは通用しなくなってきました。
 

広告やCMに提示されるステータスシンボルを手に入れるため、皆が同じ物を買うという、いわゆる「記号消費」はしなくなってきています。

その代り、自分が本当に必要なものを買う「機能消費」、自分が好きな人、信頼している人が勧めている物を買う「つながり消費」が増えています。

こうなると、ミリオンセラーを狙うマスマーケティングは機能せず、ある特定の層を狙ったニッチターゲッティングが有効になります。

さらには、儲ける意図もなく個人が趣味で描いていた絵画が、ある日誰かの目にとまり、twitterやFacebookで広まり、売れてしまうという現象が起きてしまいます。

このような環境では、大企業は収益を維持しづらいでしょう。実際にテレビ、新聞、出版、音楽といった業界は、マス市場を失い、ニッチ市場を捉えられずにいます。

一方で、中小・零細企業やフリーランスの個人の方が、規模の小さいニッチターゲット相手の商売でもペイするので、ビジネス機会が増加します。

就職前の学生の方々や、今後のキャリアを考える人は、本書を読んでこれから世界がどう変わっていくかを考えると、役に立つと思います。


このように、私はビジネスとキャリア戦略を視点にして読みましたが、本書は様々な読み方ができます。

内容は、ビジネスから芸術、生命関係学、企業組織論、人間関係学など多岐にわたります。

出てくる具体例も非常に多く、「よくここまでいろんな事例を集めて一つの一貫した洞察にまとめあげたものだな」と著者の力量に感心しました。

ピーター・ドラッカーの「断絶の時代」「ポスト資本主義社会」という、当時の時代を観察することで未来を洞察した名著があります。はるか昔に書かれたにもかかわらず、今でも未来について多くの示唆を与えてくれる本です。

さらなる未来への洞察は、ドラッカーから現在の私達に託されているのですが、「キュレーションの時代」はビジネスとコミュニケーションの未来像についての洞察をドラッカーから引き継ぐことに成功しています。

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) [新書] / 佐々木 俊尚 (著); 筑摩書房 (刊)
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)


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posted by Tabbycat at 22:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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