2011年06月09日

藤原正彦「日本人の誇り」

人気ブログランキングへ←応援クリックおねがいします!


日本人の誇り (文春新書)

日本の歴史について、「第二次大戦のとき、日本はアジアにひどいことをしたんだよな」と、何となく信じている人に是非読んで欲しい一冊です。

「日本はひどかった」という考えが、いかに計画的に日本人に刷り込まれてきたものであるかを知ることができます。
 
そして、なぜ日本が戦争という選択肢を選ばざるをえなかったのか、なぜアメリカなどの列強国は日本をそこまで追い詰めたのか、分かりやすく解説してあります。

本書で一番重要なのは、「日本は世界に誇るべき価値観をずっと持っていた国だ」ということを述べている第八章です。

P248「個より公、金より徳、競争より和、主張するより察する、惻隠や「もののあはれ」などを美しいと感ずるわが文明は、「貧しくともみな幸せそう」という、古今未曾有の社会を作った文明なのです。戦後になってさえ、「国民総中流」というどの国も達成できなかった夢のような社会を実現させた文明です」

日本人は、このような素晴らしい価値観、文明を持っていたのですが、明治の開国以来、帝国主義、新自由主義という欧米のイデオロギーに翻弄され続けてきました。

そして、実は、これらの欧米製のイデオロギーは普遍的価値を持つものでありませんでした。
帝国主義では、地球上の土地が有限である以上、帝国主義国同士の衝突は避けられません。帝国主義の帰結としての世界大戦と、植民地国の独立によって、帝国主義は終焉を迎えました。

その次に欧米で生まれたのは、新自由主義でした。自由競争、自己責任、市場万能を標榜し、資本主義経済を世界に広げました。新自由主義は世界の経済成長に寄与しましたが、同時に金融経済を過剰に膨張させました。その結果、リーマンショック、ギシシャ危機がおき、世界経済は今、大混乱に陥っています。

今のところ世界は、資本主義、新自由主義にかわるフレームワークを持っていません。そのため、現在の経済の混乱に対しても、資本主義、新自由主義の修繕程度で乗り切ろうとしています。根本的に考えを変え、新しい価値観を持たなければ、たとえ今回の危機を乗り切ったとしても、同じような危機は再び起きるでしょう。

藤原氏は、日本が古代から明治までかけて育んできた、仏教の慈悲の心や武士道精神の惻隠といった価値観が、世界の規範になりうると述べます。

P245「日本人特有のこの美感は普遍的価値として今後必ずや論理、合理、理性を補完し、混迷の世界
を救うものになるでしょう。」


世界の規範となるためにはまず、日本人自らがかつての美感を取り戻さなくてはなりません。「美しい国」を目標に掲げた総理大臣が無意味なバッシングで早期退陣したのは残念なことでした。現在は、日本古来の価値観や美意識とは正反対の人間・政党が政権に居座っています。

日本の美しさを取り戻す道は険しいですが、私自身はできるだけのことをやろうと思います。まずは自分が正しく生きること、そして自分の子供に正しく生きることを教えるよう、努めます。


日本人の誇り (文春新書)

人気ブログランキングへ←応援クリックおねがいします!


posted by Tabbycat at 20:53 | Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
英語の勉強のため、あなたのブログをずっと読んでいました。
あなたのような方がこの本を評価していることに、大変うれしく思いました。
Posted by akio at 2011年08月26日 20:24

この本は素晴らしい本だと思います。

右派でも左派でもない、普通の方々に読んでもらいたい一冊です。

Posted by tabbycat =>akio様 at 2011年09月11日 14:35
「日本人の誇り」を読み、目頭が熱くなる思いがしました。日本って素晴らしい、日本が好きだ、胸を張って言いたいと思います。よく、星条旗やイギリス国旗の大きなプリントのTシャツを着ている外人を見ます。日の丸の入ったTシャツを着ると「あの人右翼なんじゃないの」って言われるような気がするという意識が、もうアメリカにやられているんですよね。
Posted by 山本 at 2011年09月23日 18:51
山本様

コメントありがとうございます。

自分の国を愛することが当たり前という国にしないといけないと思います。
Posted by TabbyCat=>山本様 at 2011年09月24日 20:23
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。