2011年10月26日

橘 玲「大震災の後で人生について語るということ」

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大震災の後で人生について語るということ

「大震災の後で人生について語るということ」を読み返していて、本書のメインテーマとは関係のない部分で考えたことがあるので、メモ代わりに記事を残しておきます。

考えたこととは、「円高はまだまだ続く」ということです。それはなぜでしょうか。

 

為替レ―トは需給で決まります。為替レートに限らず、物の値段はすべて需給で決定されます。

ドル円レートの場合、円に対する需要がドルに対する需要よりも大きければ、円はドルに対して上昇します。ここで重要なのは、円やドルに対する需要の源は何か、ということです。

通貨に対する需要の大きな源の一つは、経常収支です。経常収支とは、貿易や投資によるお金のやりとりのことです。経常収支が黒字の国は、外国に支払うお金よりも外国から受け取るお金の方が多い状態にあります。日本は典型的な経常収支黒字国です。

日本の経常収支が黒字ということは、外国は日本に支払うための日本円を用意しなければなりません。そのため日本円に対する需要が高まります。日本の経常収支が常に黒字という事は、それだけ日本円に対する需要が常に生まれることを意味します。これは円高圧力となります。

二つめの通貨に対する需要の源は、金利差です。裁定理論によって、金利の低い国の通貨は、金利の高い通貨に対して値上がりする宿命を持っています。この点は簡単に理解できないかもしれませんが、「大震災の後で人生について語るということ」にとても分かりやすく説明されているので参照してください。日本は世界一の低金利国ですので、日本円には金利差の面からも円高圧力がかかっているといえます。

通貨に対する需要の源の三つめは、インフレ率の差です。インフレ率の低い国やデフレの国の通貨は、インフレ率の高い国の通貨に対して上昇しなければならないという宿命があります。これも金利差の円高圧力と同様、裁定理論で説明できます。これも「大震災の後で人生について語るということ」分かりやすい解説がなされています。日本はデフレが続いている唯一の国です。そのため、物価の観点からも日本円には上昇圧力がかかっています。

経常収支、金利、物価のいずれから見ても日本円には上昇圧力がかかり続けているのですから、円高がずっと続いているのは当たり前の話です。おそらく今後も円高は続くでしょう。

円高が進行するたびに、日本の企業は必死にコストを削減し、円高でも利益を出せる体質をつくってきました。しかし、このことがかえって貿易収支の黒字幅を拡大させ、さらなる円高を誘発しています。日本企業が頑張れば頑張るほど、円高は続いてしまうのです。

円高をとめたければ、経常収支を赤字にすることです。いずれ日本企業の努力も限界に達するでしょうから、経常収支は赤字化するでしょう。そうすれば円安がおこります。それによって輸入物価が上昇し、日本国内にインフレがおきます。インフレを抑えるために日銀は金利を上げるでしょう。こうして、円安、インフレ、高金利という、今とは全く逆の現象が起きます。

今の円高・デフレ・低金利がいつまで続くのかは分かりません。円安・インフレ・高金利に環境が一変するのはいつなのか。これも分かりません。

私達にとって大事なのは、どっちに転んでも大丈夫なように、自分が持つ人的資本と金融資本の分散をはかっておくことです。このことの重要さをしるためにも、本書はとても有益です。



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posted by Tabbycat at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(1) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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