2012年03月27日

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」

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文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

この本は相当おもしろいです。

なぜ欧州の白色人種が技術や文明を発達させ世界を植民地化できたのか。アフリカや南米にも古代文明は存在したのに、なぜ彼らが欧州を支配することにならなかったのか。

本書は、この問いに対する答は、銃、病原菌、そして鉄であるとします。著者の探求はこれだけにとどまりません。なぜ欧州で銃や鉄が開発されたのか、なぜ白色人種が病原菌に対する免疫を身につけ、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸の人々は免疫を身につけなかったのか、人種による優劣の差か?であれば人種差別は肯定されるのか?他に要因があるとすればそれは何か?

類人猿の時代からさかのぼり、地球規模の壮大なスケールで謎解きがなされます。全体にわたって科学的な考古学的アプローチで検証されており、政治イデオロギーなどがいっさい登場しないことが、本書の分析を客観的なものにしています。
 

本書を読むと、数千年前に各大陸の人類の間で生じたわずかな差が、その後の人類の歴史において、支配するものと支配されるものを分ける要因となったことに驚きます。

本書の趣旨とは違いますが、これは数千年という歴史に限らず、個人の一生に対しても応用できる考え方だと思いました。子供の頃の環境のごくわずかな違いが、数十年後には大きな差となります。後から逆転することは不可能です。こうして社会の中での支配階級と被支配階級が決定されます。

ここでいいたいのは、環境に恵まれた子供が有利な人生を送るということではありません。逆に、環境に恵まれなかった子供が、自分の境遇を打ち破るために努力した結果、恵まれた環境で努力をせずに育った子供を将来支配する立場になるというケースもたくさんあります。

人生は環境の不公平が存在します。これは否定できない事実です。しかし、不利な環境の中で格闘することによって、有利な環境では身につけられない能力を身につけることができます。このように、長期的視点から見れば、不利な環境だとおもっていたものが実は、恵まれた環境であったということになるかもしれないのです。

なにが有利でなにが不利なのかは、あとからになってみないと分からないのです。今日本にいる私たちは、世界的に見れば経済面、衛生面などで恵まれた環境にいます。この環境に安住してはいけないのはまちがいありません。


文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

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posted by Tabbycat at 22:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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