2012年09月26日

今のギリシャ騒ぎは昔の日本と同じ

今のギリシャ、スペイン、イタリア救済騒ぎは、昔の日本の不良債権問題と似ています。

不良債権問題が解決するまでには、

 1.不良債権問題に気づく
  ↓
 2.不良債権が正常債権に戻ること祈りつつ、不良債権企業へ追い貸しする
  ↓
 3.無駄だと気づき不良債権を処理する

というプロセスをたどります。

明らかに、プロセス2は時間の無駄なのですが、このプロセスに一番時間をとられてしまいます。日本では10年くらいかかりました。

80年代のバブルが崩壊した1990年以降、日本の銀行は莫大な不良債権を抱えました。借金を返せない会社に対して銀行は、支払い利子分のお金を追い貸しして利子を自分に払わせ、「利子を支払っているので正常債権とみなす」という苦し紛れのごまかしをしたり、運転資金が足りずいよいよ倒産しそうな会社に対しては運転資金を貸し付けて延命させたりしました。

このような時間稼ぎをしつつ、いつか景気が回復して不良債権が正常債権に戻るのを祈っていたのですが、事態は一向に改善しませんでした。景気は回復せず、ゾンビ企業への追い貸しが増え続けるだけでした。

不良債権問題が解決したのは、金融大臣の竹中平蔵氏が銀行にたいし不良債権の厳格査定を要求してからです。そのうえで事実上破綻している銀行を明らかにし、銀行への公的資金注入、国有化、再編を断行しました。その後2004年くらいから、米国住宅バブル発生による世界的好景気という追い風もあって、日本の景気は回復していきました。

日本では、不良債権問題が発生して解決するまでに1990年から2004年の14年ほどの時間を要しました。問題が起きていると当事者が気づくのに2年かかり、銀行と政府が10年間問題をごまかしつつゾンビ企業への追い貸しを続け、最後の2年間の荒治療で問題を片づけた、といったタイムラインです。

欧州債務問題では今のところ、竹中平蔵氏にあたる人物は登場していません。上の「プロセス2」のど真ん中という段階です。昔の日本でたとえると、いまは1997年くらいです。

ユーロ各国がギリシャというゾンビ国家への追い貸しにくたびれ果て、ギリシャ国民の緊縮財政への不満が限界に達するまで、「ギリシャは借金を返せる」という幻想を捨てきれないまま、プロセス2を続けることでしょう。

日本と同じペースで進むと、ギリシャ不良債権問題が解決するにはあと7年くらいかかりますが、プロセス1から2に至るペースは日本の2倍速程度だったので、今後も2倍のペースで進む場合は、あと3〜4年で解決するかもしれません。

いずれにせよ、ギリシャ関連のニュースは、「まだプロセス2をやってるな」程度のチェックをしておけばよく、中身を読み込む必要はありません。


posted by Tabbycat at 07:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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