2013年09月06日

世界は残酷な連鎖でつながっている

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 現代を生きる私達が、必ず持っておかなければならないことがあります。それは、「世界は残酷な連鎖でつながっている」という認識です。

 過剰に厭世的になる必要はありませんが、認識はしておかなければなりません。

 たとえば、今月16〜17日に行われるアメリカのFOMCは世界から注目されています。量的緩和政策が縮小されるかもしれないからです。量的緩和政策とは、現在アメリカの中央銀行FRBが毎月合計850億ドルの米国債などを買い取っていることを指します。


 この量的緩和政策が、いままでの世界中のお金の流れを支配してきました。FRBが米国債などを買い取るおかげでアメリカの金利は低く抑えられ、低金利に物足りない投資家のお金が高金利の新興国へと流れ出ていました。

 投資資金の流入によって、新興国の金利は低下し、株価は上昇し、新興国通貨は対ドルで上昇してきました。

 アメリカの景気を刺激するための量的緩和政策は、新興国も潤してきたのです。

 ところが、バーナンキFRB議長が5月下旬に「量的緩和をそろそろ縮小させるかも」とつぶやいた瞬間、今までのお金の流れが逆方向に変わってしまいました。

 新興国通貨は下落、新興国金利は上昇、新興国株は下落、という三十苦に直面しています。

 新興国で生活している一般の方々は、FRBとかFOMCとか量的緩和政策などという言葉すら知らないかもしれません。

 しかし、新興国の方々の生活を今脅かしているのは、これらの3つのキーワードなのです。

 今月のFOMCで実際に量的緩和縮小が決められると、新興国からの資金流出はさらに加速するでしょう。その影響の大きさははかりしれません。

 では、FRBはどうやって量的緩和縮小するか否かを決めるかというと、アメリカのGDPや失業率や物価などの景気指標を主な判断材料とします。このほか、シリア情勢にも配慮するようです。

 化学兵器を使って数百人を殺害したとされるシリアに対して、アメリカがミサイル攻撃や空爆を実行するかもしれません。もしそうなった場合、シリアはその仕返しをアメリカにする代わりに(シリアにとってアメリカは遠すぎます)、親米国のイスラエルに仕掛けるかもしれません。

 そうすればイスラエルもだまっているわけにはいきません。こんないざこざが起きるとイランやイラクもなにをしてくるか分かりません。このような中東の地政学リスクが高まれば、FRBも量的緩和縮小とかいっていられなくなります。

 そもそも、「シリアに報復攻撃しないとまずいですよ」とアメリカ政府を説得しているのは、米軍事産業という説もあります。アメリカは「財政の崖」によって軍事費を抑制しています。軍事産業からすれば、その分売り上げが減っているのです。そこで米軍がシリアにミサイルを撃てば、その分軍事関連企業は儲かるというわけです。中東が緊迫化すれば、それも軍事関連企業の飯のタネになります。

 さらにずっとさかのぼると、そもそもシリアに化学兵器を提供したのはロシアだという説もあります。ロシアは原油や天然ガスの輸出でなりたっている国ですが、アメリカのシェールガス開発が本格化したせいで、ロシアの資源輸出が苦しくなってきています。化学兵器輸出は資源輸出に変わる産業なのかもしれません。

 こうして俯瞰してみると、新興国の一般的な庶民の人々の生活が、先進大国の金融政策やら軍事政策に振り回されていることがよく分かります。

 日本の私達も、世界の残酷な連鎖に振り回されることがあります。たとえば2009年、新卒の内定率は激減しました。この年の学生の出来が悪かったからではありません。前年2008年にリーマンショックが起きたせいです。このパニックで日本企業は設備投資や人材採用を凍結したのです。

 その1年前までは、米国サブプライムバブルのおかげで日本の景気もよく、学生の内定率も高かったのです。大学を卒業する年が1年違うだけで、人生を左右する就職の結果がまったく違ってしまったのです。

 このような世界の残酷な連鎖を知ったからといって、その連鎖から逃れられるわけではありません。だからといって、知らなくて良いというわけではありません。嵐をとめることはできなくても、嵐を見据えれば、何かができるかもしれないからです。

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posted by Tabbycat at 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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