2015年09月08日

英エコノミスト誌、メルケル独首相の難民保護を絶賛

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英エコノミスト誌"Merkel the bold"(勇敢なメルケル)からの抜粋です。

ANGELA MERKEL may be the most powerful politician in Europe, but she has rarely shown much inclination for bold leadership. Both in domestic politics and, especially, during the euro crisis, the German chancellor’s style has been one of cautious incrementalism. She has eschewed sweeping visions, put off decisions whenever possible and usually reflected, rather than shaped, public opinion. The European Union has paid a heavy price for her small-bore instincts, not least because they made the euro-zone crisis deeper and more protracted than it needed to be.

(和訳)
アンゲラ・メルケル氏はおそらく欧州で最も強い権力を政治家だ。しかし、これまで彼女が大胆なリーダーシップを見せることは稀だった。特に、欧州債務危機の時、メルケル独首相の政治家スタイルは慎重な漸進主義だった。ビジョンを掲げることを避け、意思決定を可能な限り先送りし、世論を形成する政治でなく、世論を反映する政治を志向してきた。彼女の政治家本能が狭量なために、EUは大きな代償を払ってきた。たとえば、ユーロ危機を必要以上に深刻化させ、長期化させた。

(語彙)
incrementalism: 漸進主義
eschew: 避ける。慎む。
small-bore: 小口径の。狭量な。
instinct: 本能。
protract: 長引かせる。

(コメント)
上記のようにメルケル独首相の政治家として慎重なスタイルを批判していますが、この後の記事では、メルケル氏がシリア難民の受け入れ拡大を発表したことを大絶賛しています。

例えば「『欧州が難民問題を解決できないとしたら、それは私たちが望む欧州ではない』というメルケル氏の言葉は、EUやユーロの理念と難民問題を直接結びつけるもので、こんな言葉を言える政治家は多くはあるまい」など。

「世論を形成する政治でなく、世論を反映する政治」を志向するメルケル氏ですが、今回の難民問題については欧州の理念を訴えることで、世論をリードしようとしているようです。

ところで、「世論を形成する政治でなく、世論を反映する政治」は、一概に悪いとは言えません。ポーランド家系の東ドイツ出身のメルケル氏が、ドイツ首相として、魑魅魍魎とした欧州の政界で渡り合っていくには必要な戦略ともいえます。

政治に限らず企業内においても当てはまるのですが、一見複雑で意見の一致が難しそうな問題でも、一週間くらい寝かしておくと、いつの間にか意見が自然と集約されて道筋が見えることがあります。

この場合、意思決定を急がず、しばらく様子見しておいて、見えてきた道筋に沿った意思決定をするのが賢いやり方です。

今回のメルケル氏の決断は勇敢ですが、リスクをとったとも言えます。リスクをとったのは、おそらくメルケル氏の政治家としての理念がそうさせたのでしょう。ドイツでは難民受け入れ反対デモが起きるなど、世論は二分されているようです。

今後を見守りたいと思います。

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posted by Tabbycat at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済を知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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